No.26 (サクラ)てんぐ巣病
ソメイヨシノを初めとするサクラ類に大きな被害を及ぼしているこの病気は、カビの一種によって引き起こされる病気です。枝の病巣部で越冬した病原菌は開花後に胞子を飛ばし葉に侵入します。これらの葉は5月には枯れてしまい、ここから胞子を飛ばし健全な枝に伝染させるのです。
小枝から沢山の枝分かれている部分があれば、てんぐ巣病と疑ってください。サクラの中でも特に「ソメイヨシノ」はかかりやすい品種です。
◆ 特徴や発生の仕方
- 枝の一部がふくれてこぶとなり、この付近からいっせいに出た小枝はほうき状に見えます
- 病気の枝には健康な枝より先に小形の葉をつけ、花芽はほとんどつけません
◆ 被害の受けやすい種
てんぐ巣病は、樹種によって病原は様々ですが、サクラの外にもクリや竹など多くの植物に発生します。
近年はこの病気にかかりやすいソメイヨシノは敬遠されがちで、苗木を作らない、植えないという傾向にあります。
◆ 防除の方法
予防は困難ですので、次の方法で駆除しましょう
- 薬剤による予防はほぼ不可能です。
- 冬期に、基部のふくれた部分を含め病気の枝を切除し、他に広がらないよう焼却しましょう。
- 切除後は、切り口から健全な枝に腐朽が入らないよう、切り口にはトップジンMペーストを塗ります。
◆ 被害の現れ方
枝先に箒状に出現したサクラてんぐ巣病
( 遠田郡涌谷町 )
山中のクサギにも見られた「てんぐ巣病」
(大崎市鳴子温泉)
2017年2月6日