No.3 カツラマルカイガラムシ

地球温暖化のせいか先月号で取り上げた「ナラ枯れ」と同様に、
これまで見られなかった害虫が多くなり、県内広範囲で広葉樹での被害が発生しています。

ケヤキ、コナラ、クリなどを中心とした落葉広葉樹に
枝枯れや枯死が見られる「カツラマルカイガラムシ」による被害もその一つです。

被害を受けた枝をルーペでのぞくと、
小さなカイガラムシがびっしりと付いているのが観察されます。
石巻地方を中心とした県北部で被害が深刻で、特に林齢の高い樹木での被害が顕著です。

◆ 特徴や発生の仕方
  • カイガラムシは年2回発生します。
    1回目は6月~7月、2回目は8月~9月です。
  • 被害は葉のしおれから始まり、やがて木全体が枝枯れから半枯れ状態に。
    枯死するものも出ます。
  • 観察すると直径2mm以下の灰色で円形のカイガラムシが樹皮や葉まで一面に寄生しています。
◆ 被害の受けやすい種

ケヤキ、 コナラ、クリ、カエデなどの落葉広葉樹で被害が激しく、時に常緑広葉樹にもみられます。

◆ 防除の方法
広範囲にわたる場合

発生初期に「スプラサイド乳剤40」を1千倍に希釈し全面に散布します。

単木の場合

「マツグリーン液剤2」による、樹幹注入が効果的です。

◆ 被害の現れ方

 

クリの若枝に寄生したカツラマルカイガラムシ

 

 

名木のクリに発生した典型的な発症例

 

 

お寺のボダイジュも半枯れになった

2014年7月15日
次のページは
前のページは