No.10 コスカシバ
「コスカシバ」という名前を聞いたことはありませんか。
不思議な名前ですが、コスカシバはサクラ類の樹幹に被害を与える害虫で、
成虫は蜂みたいな形態をしていますが蛾の仲間です。
小さな虫で透明な羽を持つことからコスカシバ(小透かし羽)
と名付けられたものです。
公園の桜などで、樹皮がデコボコになったり、
ヤニや糞を出しているのを見かけた方も多いと思いますが、
その多くはコスカシバによる被害と思われます。
桜にとってはやっかいな害虫で、被害のひどい場合には枯れることがあります。
◆ 特徴や発生の仕方
- 成虫を見ると蜂のようにも見えるが、蛾の仲間である
- 樹皮下に穿入・加害し、そこから半透明のヤニと糞を出す
- 幼虫と成虫とで、春から秋まで長期にわたり加害する
- ソメイヨシノに多く、樹皮の肌がデコボコになり荒れ、ひどいときには大木が枯れることがある
◆ 被害の受けやすい種
サクラ、ウメ、モモ、リンゴなどのバラ科樹木
◆ 防除の方法
- 樹皮下を食害するため防除は難しいが、残効性・浸達性のある次の薬剤散布が効果的
- 登録薬剤に、「トラサイドA乳剤」、「ガットキラー乳剤」などがある
- 200倍液を樹幹や太枝にしたたり落ちる程度に年2回散布する
◆ 被害の現れ方
コスカシバによる被害は樹皮から半透明のヤニや糞を出す
肌の荒れたサクラ
2015年2月20日